北北北

童貞ってなんだろう

更新が遅くなってすいません。死が怖いです。

モラトリアム期最後に一年を迎え、資本主義システムについに積極的に関与することが決定した僕が最近気づいたこと、それは時間が有限であるということです。時間が無限である、と考えることができるのは青春の特権であり、青春とは神が与えた祝福の時間なのです。青春を過ぎると後は下降線です。その後の人生は死の準備でしかなくなる。結局のところ大人は衰弱した青年なのです。

青春時代は存在していることそのものが幸せであるはずです。なぜなら時間が無限にあるから。青年期に人は何にでもなれるし、どこへでも行けます。けれども実際少なくとも僕の周りにいる大学生でこの青年期の特権を行使しようとしている人物はいません。もちろん僕も含めて。僕の周りの青年達が考えていること、そのことの大部分は性に関するものです。しかしこれは仕方の無いことなのです。なぜなら「性的行動は一つの社会階級システム」だから。僕らの社会においてセックスは、金銭とは全く別のもう一つの差異化システムなのです。そして金銭に劣らず冷酷な差異化システムとして働きます。つまり、セックスしまくるやつと一度もセックスできないやつという貧富の差が生じるのです。自由主義の社会に生きているからやむを得ないことではありますが、金銭の貧困ならば国がある程度は支援してくれますが、ことセックスとなると支援なんてあるはずもなく、童貞は自分自身で解決しなければなりません。生理的な欲求だけであれば簡単に解決するでしょうが、問題は「愛」についてです。もちろんセックスが「愛」を生むとは限らず、また「愛」という至極曖昧で実態のないものは存在するのかどうかさえ怪しいのですがその議論はまた後日改めてしましょう。童貞は自身の経験の無さ故に、存在するかも証明できない「愛」の欠乏に苦しむのです。だからこそ童貞は美しい。自身に足りないものを自らの文化的行為によって埋めるその涙ぐましい努力は愛についての闘争と言えるのではないでしょうか。

 

お遊びはこのへんにしてそんな愛すべき童貞をフィーチャーした映画作品をいくつか紹介したいと思います!!!

 

1作目 童貞映画の金字塔 

『スーパーバッド 童貞ウォーズ』

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見よ、この主演三人のどうしようもない童貞感を!いろいろ突っ込みたくなるパッケージ画像を!!(なんで後ろ爆発してんねん!!)タイトルなんて元のタイトルはSuperbadなのに日本語タイトルでさらに童貞ウォーズを付け加えるというやらかしっぷり(最高かよ!)

なんともB級臭がただようと思ったそこのあなた。開けてびっくりこれが笑って泣ける、1級青春コメディなのです。エミネムなんて200回観たらしい(絶対嘘)プロット自体もよくできているのですが、なんといってもキャラクターが最高にイケてます。

三人の左端の男の子、マクラビンことフォーゲル君が自分の推しなのですが、有名なフェイクIDのシーンは面白いのでぜひ観てほしい。

あと驚きが、この映画になんと出だしのエマ・ストーンが出演しています。(ララランドの女の人です。)当然キュートなんですが、それだけでは終わりません。映画史に残る感動的かつ衝撃のラストを見逃すな!!

 

2作品目 リアルガチ童貞映画金字塔

『卒業』

 

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言わずもがなの名作です。ダスティン・ホフマン演じる超一流童貞が、奥様に誘惑され、童貞を奪われる。この物語の主題は「童貞」ではないのですが、僕は童貞時のダスティン・ホフマンの過剰とも言える演技が好きなのです。

ラストシーンがめちゃくちゃ有名。アメリカン・ニューシネマの傑作と言われているだけあり、なんとも言えない寂寥感が残ります。

ちなみに奥様の足越しのホフマンカットがあるのですが、ある北大教授に言わせれば、「下品で自分だったらとうてい撮らない」そうです。

 

 

3作目 童貞と芸術の奇跡の融合

『早春 DEEPEND』

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監督はイエジー・スコリモフスキ。世界三大映画祭全てで賞を獲得している、紛うことなき、巨匠です。そんな巨匠が童貞を撮ったら、ただでさえ美しい童貞なのにそれはそれは、完璧な映画ができるにきまっています。

ストーリーは、童貞の青年がバイト先で美人のスーザンに惹かれるというもの。そしてストーカーになります。童貞ってこじらせるとストーカーになりますよね。

この映画はやたらと牛乳やらアイスクリームやら消化器やらがぶちまけられるのですが、もちろん精子のメタファー。あらゆる性のイメージはラスト、ため息のでるような美しいカットへと収斂していきます。どうしてもこれが撮りたかったんだろうなあ。って感じ。鳥肌ものです。TSUTAYAにあるよ。

 

本当は、多分童貞ではないけど、広義の童貞が主人公の『タクシードライバー』とかネットフリックスで話題沸騰のドラマ『セックス・エデュケーション』とかもっと色々紹介したかったけど、疲れたので終わりにします。またいずれ紹介するかもしれません。

 

それではまた。